麻疹風疹(MR)ワクチンの接種率低下について
2022年12月29日
2020年4月1日〜2021年3月31日までの全国平均接種率は1期98.5%、2期94.7%、兵庫県は1期99.2%、2期95.5%でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行による接種控えにより、2021年4月1日〜2022年3月31日においては全国平均接種率は1期93.5%、2期93.8%、兵庫県は1期92.7%、2期93.9%と低下していました。
ちなみにこのHPからは川西市におけるMRワクチン1期の接種率も記載があります。2020年4月1日〜2021年3月31日までの対象者983名、接種者944名、接種率96.0%、2021年4月1日〜2022年3月31日では対象者948名接種者は899名、94.8%と低下しています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/hashika.html
95%以上を維持しないと麻疹(はしか)の流行が起こりえます。麻疹は空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%が発症します。急性症状も強く、2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。治癒した後も感染後5-10年の経過で亜急性硬化性全脳炎(SSPE)といわれる脳炎を発症することがあります。学童期に学業成績低下、記憶力低下、いつもと違った行動、感情不安定、体がビクッとなる発作、歩行障害、字が下手になったなどで気がつかれ、症状が進行し、最終的に寝たきりになる治療法のない病気です。
http://prion.umin.jp/sspe/gaiyo.html
1期または2期のMRワクチン接種をしていない場合は接種を是非検討ください。接種時期を逃した場合、当院へ一度ご相談ください。