抗菌薬の使用について
2019年12月11日
当院では抗菌薬を必要な時だけ処方するようにしています。
指先を使っての少量の血液検査や咽頭、鼻腔など迅速検査を行い、原因を調べてから診察所見と合わせて必要な抗菌剤や抗ウイルス剤等を処方しています。また、抗菌剤の必要な急性中耳炎の有無、とびひなどの皮膚感染症の有無なども見た上で必要十分量を処方するようにしています。迅速検査以外でも出来る限り細菌培養検査を行い、どういった菌が原因かを調べながら投与するようにしています。抗菌剤を先に使用してしまうと原因がはっきりわからないからです。
先日、兵庫県立こども病院の感染症科の先生のお話を聞きました。昨今、新しい抗菌剤の開発は非常に少なく、今使うことができる抗菌剤を有効に使用することが必要とのお話でした。抗菌剤の乱用によって耐性菌が増えると将来の子供たちのために使うことができなくなる恐れがあります。私は効果がある抗菌剤を残すことは小児科医、小児科専門医としての使命であると考えています。当院の非常勤の小児科医も同じ考え方で抗菌剤は使用しています。
風邪で発熱したからといって、毎回必ずしも抗菌剤を使用する必要はありません。出されない場合は必要がない場合とお考えてください。
必要な場合は十分量を処方しますので、飲み切るようにしてください。