ロタウイルス胃腸炎
2019年12月12日
ロタウイルス胃腸炎は、高熱、はげしい嘔吐、下痢が続く感染症です。感染すると入院が必要になることが多く、けいれん、急性腎障害、脳炎/脳症を起こすことがあります。ワクチン接種が開始されるまで、年間数万人が入院していましたが、ワクチン接種開始後患者数は低下しています。お金がかかりますが、赤ちゃんにぜひしておきたいワクチンです。私が小児科医になってからワクチンが開始されるまで、冬から春は風物詩のように小児病棟ではロタウイルス胃腸炎の患児の部屋がありました。
約20年前に発売された昔のロタウイルスワクチンでは腸重積症が予想より多く出現したため、改良され現在の1価型(2回接種)と5価型(3回接種)ロタウイルスワクチンとなりました。ともに腸重積発症リスクについての記載があります。腸重積の発症リスクは1回目の接種を遅くから始めた場合に高くなることがわかっています。
来年度中には公費化が決定していますが、公費化までは任意となります。ワクチンが始まってから、実感として明らかにロタウイルス胃腸炎は減少しているので、子どもたちの病気の予防に貢献していると考えられます。
余裕があれば公費になるまでにも接種をして頂きたいワクチンですので、ワクチンデビューの際にはご検討ください。